TOY JOY POP

2006年12月18日 読書
「文学・評論」に分類されてるよー!!

バイト先とバイト先のHPには従業員が好きな本や音楽のレビューを書けるノートやらブログがあるんですが、
この本はそういうのに出しちゃいけないと思いました。

もうね、とにかく変態小説。
HJ文庫よりも幻冬舎アウトロー文庫で出すべき!

表紙の五人がまあ順繰りに語り部になっていく主人公なんですが、
これが全員おかしい。
中央のおにーさんはイカれた脚本家(でも根はいい人)で、
↓のような原稿を書く。
「ランドセルという重荷を背負った瞬間、幼女は少女に変わってしまう。
だからこそ就学前の真の幼女のみを求めるのが高邁なペド道」
(中略)
「まさか・・幼女でも赤子でもなく、卵子!?

「そうだ。これがロリ道とペド道が行き着く、果ての地獄だ」
あまりにも重いくびきを示され若きロリ之介はただ立ち尽くすしかなかった。

<次回予告>
ペド雲斎の猛攻に苦戦するロリ之介の前に、フランスからの刺客、ショターヌが現れる。
ロリ対ペド対ショタ。三つ巴の決戦を誰が制すのか!



黒髪美人が・・あ、これはネタバレなので伏せます。
でも話し方はかっこいい。

ツインテールっ子と右のメガネっ子は売春中。
というよりむしろメガネっ子、売春組織経営者で激サド。

背の高い短髪っ子は比較的まともですが、作中「関節ババァ」に遭遇します。


あんまりネタバレすると何なのでここまでしかいえませんが。
数年前、乙一さんを頭のおかしい(褒め言葉)作家だと思ってた私は甘すぎた。

こと異常者を考えることと描くことに関して、
そして作者そのものにおいて、浅井ラボさんを超えるものはいない。


もちろん褒め言葉。
作中にある常識を軽く蹴り飛ばした妄想の数々もそうですが、
もーこんなすごい頭の持ち主(浅井さん)が日本で普通に生活を
しているというその事実にびっくりするくらい、この本は異常者小説。

でもそんな小説が大好きになってしまったYO!私も駄目だなー。

され竜シリーズも普通にバトルありのファンタジック小説だったのは
最初の一作品のみで、あとはもう異常者オンパレードだったけど
(特に「くちづけには長く、愛には短すぎて」と「そして、楽園はあまりに長く」)
これはすげーや。



私は古典に限り文学も読むし好きなんですけれども。
だめだなー、最近の現代文学(特に新人)はかなわないよ浅井さんに。
きれーな恋愛ごととか青春とかしか書けないんじゃーなー。

「リアルな青春小説」とかいう帯のついた本を見たけど、
私はこっちのが(ある意味で)よっぽどリアルだと思う。
日本はアレだ、もったいないなぁ。
こんなすごい小説が単なるティーンズ文庫の一冊として
(ティーンズ文庫を馬鹿にしてるわけではありません。大好きだし)
みなされてるんだから。
こんな感じの前衛的な作家は押し出すべきだよ。

ところでこの本、いろんなところに性的描写があったりやなんかで
15禁くらいになりそうだし、何度も言うように異常者小説なので
自分の日記でしかレビューが書けません。


そういえば「くちづけには長く、愛には短すぎて」ってタイトル、
誰がつけたんだろう。浅井さんか編集さんなのか。
このタイトルすごくないですか?最初に見たとき「うぉおっ」って
驚きました。芸術的。

今の新人も内容がアレならせめてこれくらい巧いタイトルを(略)

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